Zeitung 0.00208Days
スイスの雑誌「ツァイトゥング・マガジン(Zeitung Magazine)」は、未来の印刷物とは、伝統的な新聞が持つ定期性と現代の雑誌が備える内容性を融合したものであるという信念のもとに創刊されました。異なる分野を横断しながら、現代の時代精神を記録し、次世代に向けて知識への親しみやすさを提供しています。
本号では、イノベーションやテクノロジーによって外側から形づくられる私たちの日常と、想像力や夢というテーマを通して内側で形成される世界、その両面に焦点を当てています。
書籍『エクストリーム・セルフ:エイジ・オブ・ユー(The Extreme Self: Age of You)』に関する考察を通じて本号を紹介したのち、シューズメーカー「オン(On)」による革新的な「ライトスプレー™(LightSpray™)」技術を取り上げ、新たなシューズ製造のかたちを紹介しています。この新技術は、1足をわずか3分、すなわち0.00208日で製造することを可能にし、長期的な視点においてハイパフォーマンス製品の生産方法を変革するものです。同時に、戦略的思考やデザインの在り方を問い直し、再構築する契機ともなっています。これらのテーマは、「アラスカ・アラスカ(Alaska Alaska)」と「ライトスプレー™」を手がける「オン(On)」のチームとの対談を通じて掘り下げられています。
技術革新とデザインというテーマのもと、デザイナーのロミ(Romi)は、自身の学際的な実践におけるクラフツマンシップとテクノロジーの活用について語っています。さらに視点を広げ、写真家のジェンテ・ワールゼッガース(Jente Waerzeggers)は、ゲントにある「ハーバート・ファウンデーション(Herbert Foundation)」を撮影しています。同財団は、アート、文学、キュレーションに対して反制度的ともいえる独自のアプローチをとる、静かに存在する特異な場所です。また、スイスで開催された「スイス博覧会(Expo.02)」を振り返りながら、マリナ・モントレゾール(Marina Montresor)は、ジャン・ヌーヴェル(Jean Nouvel)、ディラー+スコフィディオ(Diller + Scofidio)による作品をはじめ、このスイス博覧会における建築的な側面について論じています。
次章では、音楽家それぞれの実践のあり方に加え、個人的な思考や願いに焦点を当てています。登場するのは、マネー・ラング(Money Lang)、ファティマ・アル・カディリ(Fatima Al Qadiri)、エンジェルナンバーエイト(Angelnumber8)、アクセル・コルブ(Axel Kolb)、マルティナ・ルッシ(Martina Lussi)、カミーユ・ケラー(Camille Keller)、 ブレスド・アンド・ブラッシング(Blessed And Blushing)、そしてマグノリア・ピンク(Magnolia Pink)といった音楽家たちです。それぞれが、自身の制作や音楽との向き合い方について率直に語っています。音楽的な視野をさらに広げるものとして、シュテファン・ギルゲンライナー(Stephan Gilgenreiner)による「クラフトワーク(Kraftwerk)」に関するエッセイも収録されています。このテキストでは、同バンドのヴィジュアルワークを手がかりに、テクノロジーが音楽の内部構造だけでなく、その外側にある物語や文脈にどのような影響を与えてきたのかが読み解かれています。
スイスのエンガディン地方にある村「セント」にて、エレナ・エーアル(Ellena Ehrl)とティボール・ビエリツキー(Tibor Bielicky)は、アーティストのノット・ヴィタル(Not Vital)と長時間にわたる対話を行いました。彫刻、絵画、ドローイング、そして本人が「スカーチ(Scarch)」と呼ぶ、彫刻と建築を横断する実践まで、その多岐にわたる制作活動について語られています。またノット・ヴィタルに関連して、写真家のハンネス・ハインツァー(Hannes Heinzer)と映像作家のヨン・グラー(Jon Guler)は、「オン(On)」のアスリートであるヴァレンティナ・ロザミリア(Valentina Rosamilia)を、ノット・ヴィタルの作品「ハウス・トゥ・ウォッチ・ザ・サンセット(House to Watch the Sunset)」のひとつで撮影しています。
自然と人工的な空間のあいだを行き来しながら、イノベーションと進化の文脈における人間の手の関与を問いかける本号には、ハーブと花に焦点を当てた2本のエディトリアルが収録されています。ビンタ・コップ(Binta Kopp)は、スイスにある垂直農法施設「ヤサイ(YASAI)」を撮影し、その現場の様子を記録しています。一方、ニル・シャウンブルガー(Nilu Schaumburger)は、思慮深い「いけばな」の実践の最中にある「エヴォラフラワー・スタジオ(Evoraflower Studio)」を捉えています。
本号の「スケッチ」欄では、ディヴィク・カーレン(Dyvik Kahlen)、ゴウン・リー(Gowoon Lee)、カスパー=フロリオ(Kasper-Florio)、ルイーザ・ガリアルディ(Louisa Gagliardi)、マティルデ・ソルビアティ(Matilde Solbiati)、ムヤカビ・ディオマンデ(Mouyakabi Diomande)、シェリー・アコッター(Shelley Uckotter)、ソフィア・アルブリゴ(Sofia Albrigo)といったアーティストや建築家に、夢、想像力、テクノロジーの意味についての考えを寄せてもらっています。さらに日常生活へと視点を移し、デザインスタジオ「レティナ(Retinaa)」は、パスポートや紙幣といった身近なアイテムを形づくり、再考するための「セキュリティ・デザイン」、そしてアートおよびプロダクトデザインにおける実践方法について説明しています。
イノベーションとテクノロジーを手仕事の視点から捉えるため、本号ではスケールモデル航空機の9度の世界チャンピオンであるアンドレアス・リューティ(Andreas Lüthi)を特集しています。ルーカス・ザクサー(Lukas Saxer)による撮影のもと、リューティは自身が制作した模型飛行機のコレクションを紹介しています。「モデルとしてのモデル」をテーマとした詳細なテキストが添えられています。
航空への関心は、アーティストのプレシャス・オコヨモン(Precious Okoyomon)とも共有されています。オコヨモンは、初めて飛行機に乗った体験について語るとともに、没入的な世界をどのように構築し、記憶を収集しているかについて語っています。ドジー・カヌ(Dozie Kanu)による写真とともに、これらのページは、夢やお気に入り、大切なものについて語る、フレンドブックのような形式のインタビューとなっています。
エンヤ・ベインズ(Enya Bains)による、公共図書館「シッターヴェルク(Sitterwerk)」とそのアーカイブ実践の紹介に続き、「エーアル・ビエリツキー・アーキテクツ(Ehrl Bielicky Architects)」は、建築におけるサンプリングというテーマへと文化的分析を広げています。その後、パリの都市再開発地区「ラ・デファンス」を扱った建築エッセイが掲載され、パリで撮影された「オットリンガー(Ottolinger)」とのフォトストーリーは、ミシャ・シュレーゲル(Mischa Schlegel)が撮影し、ジュリエット・オーブリー(Juliette Aubry)がアートディレクションを手がけています。
本誌の新しいフォーマットである「ビジュアル・ピンポン(Visual Ping Pong)」では、写真家のアルミン・リンケ(Armin Linke)と建築家のマルクス・ミーセン(Markus Miessen)が、本誌から送られた一枚のイメージに応答します。言葉を用いず、参照やインスピレーションを交換する試みです。
金属加工職人でありアートプロデューサーでもあるベルント・オイラー(Bernd Euler)は、プロジェクトのエピソードや技法、自身のアート制作への向き合い方、そしてアートマーケットにおける立場について共有しています。再びアーティストの視点に戻り、イルッカ・ハルソ(Ilkka Halso)は、自然との関係性や、自身の作品における視覚的操作についてインタビューで語っています。
本号の締めくくりとして、「サムシング・ファンタスティック(Something Fantastic)」が、空間を共有することの意味、境界を横断すること、そしてテクノロジーそのものを再考することについて問いを投げかけています。
本号には、A2サイズのポスター、セヴェリン・ウェーバー(Severin Weber)がデザインした「モデルズ・オブ・エアロプレーンズ(Models Of Aeroplanes)」ステッカーセット、そして「データ・オービット(Data Orbit)」がデザインした特別なジンが付属しています。このジンには、ノア・ノヤン(Noah Noyan)の写真を特集したエディトリアルと、ララ・エスケーダ(Lara Esqueda)によるジャミラ・エストラーダ(Jamira Estrada)へのインタビューおよびフォトストーリーが収録されています。
ページ: 320
サイズ: 148 x 210 mm
フォーマット: ソフトカバー
刊行年: 2025
言語: 英語
出版: Zeitung Magazine
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