Leporello N° 10 by Kay Rosen
スウェーデンの出版社「ll'Editions」によるアコーディオン形式のアーティストブックシリーズ「The Leporello Series」の第10巻。各巻は、250部限定のシリアルナンバー入りで、特注のボックスに作品が収められています。作品は立て置くことで飾ることができ、ボックスに収納した状態で本棚に収めることもできます。
第10巻は、アメリカ人アーティストのケイ・ローゼン(Kay Rosen)の作品。「Duck in the Muck(泥の中のアヒル) 」とは、ケイ・ローゼンが30年以上にわたって探求してきたプロジェクトの一つです。多くの場合、印刷プロセスを通じて、連続的な方法で言語を整理しますが、ビデオや本、壁画、ドローイング、ポスターなどの形もとってきました。そして今回、このレポレロが加わることになりました。「Duck in the Muck 」は1989年に構想されましたが、2013年のインスタレーション以外では、これまで完全な形で実現されることはありませんでした。
ローゼンの作品は常に言語的な観点から始まりますが、言語として、深刻な懸念のある内容や主題と交差します。「Duck in the Muck」は、化石燃料や化学産業、その支持者たちが自然を大混乱に陥れる無責任な行動に注意を喚起しています。「quack(アヒルの鳴き声)」の歪んだバリエーションは、石油や化学物質の流出による生物種への遺伝的ダメージを反映しており、世界的な災害として、複数の綴りは世界中の人々からの声の叫びを暗示しています。
ケイ・ローゼンは、言語の視覚的可能性を探求することにそのキャリアを費やしてきました。テキサス州コーパスクリスティで生まれ育ちました(1943年)。テキサス州南部のバイリンガル文化や、家族の何人かが話していた他の言語に触発され、言語に魅了された彼女は、1968年以降、言語に基づくアートに関心を移しました。絵画、ドローイング、壁画、版画、コラージュ、ビデオを通して、ローゼンは、スケール、色彩、素材、構成、グラフィックデザイン、タイポグラフィを用いて、日常的な言葉やフレーズから新たな意味を生み出そうとしてきました。
ローゼンの作品は、「ロサンゼルス現代美術館」や「ヴェーザーブルク近代美術館」で開催された個展をはじめ、世界中で数多くの記事やレビュー、グループ展、個展、プロジェクトの対象となっています。ローゼンは「シカゴ美術館」で24年間教鞭をとりました。現在はニューヨークとインディアナ州ゲーリーに在住。
発行部数: 250
サイズ: 148 × 191 mm
フォーマット: リジッドボックス、じゃばら折り
刊行年: 2024
デザイン: Lundgren+Lindqvist
出版: ll’Editions
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