Gili Merin: Analogous Jerusalem

ウィーンを拠点とする建築家であり写真家でもあるギリ・メリン（Gili Merin）の作品集。エルサレムは単なる都市ではなく「観念」である。何千年にもわたり、あらゆる宗教や社会階層の訪問者を惹きつけてきたこの場所は、それぞれの人々がその聖性と向き合うための場でした。その永続的な魅力は、たびたび激しい支配争いを引き起こし、結果としてエルサレムという象徴がその物理的な境界を越えて、遠く離れた地に「転置」されることもありました。本書は、そうした類比的な聖地を世界各地で探る、5年にわたる写真の旅の成果です。本書は、聖と俗が予期せぬ形で交差する巡礼の地勢を辿っていきます。

本書には三部構成のエッセイが添えられており、エルサレムの聖地がヨーロッパに転置された事例、中世の修道女たちによる仮想巡礼の儀式、そして写真による旅の歴史を考察しています。写真とテキストは、エルサレム以上に「現実的」に感じられるかもしれない場所への旅の記録となっています。

ギリ・メリン（PhD）は、これまでロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートおよび建築協会（Architectural Association）で設計と理論の教鞭を執り、現在はウィーン工科大学で助教を務めています。彼女の作品は、神聖な空間にまつわる政治性や、自然と人工の風景の相互関係を写真を通じて探求しています。

ページ: 188
サイズ: 240 × 340 mm
フォーマット: ソフトカバー
言語: 英語
刊行年: 2025
デザイン: Federico Barbon
出版: Humboldt Books