Robert Wilson: Chairs

アメリカ人舞台演出家でありビジュアルアーティストのロバート・ウィルソン（Robert Wilson）による作品集。2025年2月から3月にかけてニューヨークのデザイン・ギャラリー「Raisonné」で開催された展覧会「Robert Wilson: Works for the Stage」に伴い刊行されました。

ウィルソンにとって、演劇とは視覚的、文章的、パフォーマンス的な媒体の完全体です。1960年代における初期作品より、ウィルソンは家具のデザインを舞台美術に取り入れてきました。「私が手がける戯曲のほとんどに、特別にデザインされた椅子が登場する。（...）多くの場合、椅子は役者のようである。」ウィルソンの舞台に登場する椅子は、「カフカ・チェア」「クイーン・ヴィクトリア・チェア」、「モンドリアン・チェア」のように、頻繁に参照される名前を持ち、各公演において現存する芸術品として、当初持っていたところから拡大した意味や重要性を持ちます。

本書に掲載された椅子は1969年から2011年までの間に作中で使用されたものであり、ステンレス・スチールのメッシュで作られた「パージヴァル・ソファ（Parzival Sofa）」（1987年）から、塗装を施した木製の「クレメンタイン・ハンター・ロッカー（Clementine Hunter Rocker）」（2011年）まで収録されています。ウィルソンのこのデザイナーとしての活動は、木、ブロンズ、スチールから、剥製の脚、強化ガラス、ネオンなど、さまざまな素材を使った作品を集めるコレクターとしての実践によってさらに輝きを増します。本書には、これまで公開されたことのない作品もいくつか掲載されています。今回のプロジェクトのために撮影された40点以上の図版の撮影は、写真家のマーティン・モルダー（Martien Mulder）が手がけました。

ウィルソンは、1993年に「第45回 ヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展（the 45th Venice Biennale）」彫刻部門にて金獅子賞など多数受賞しているほか、日本でも2023年には「第34回高松宮殿下記念世界文化賞」を受けています。

ページ: 152
サイズ: 235 × 301 mm
フォーマット: ハードカバー
言語: 英語
刊行年: 2025
出版: August Editions