Raymond Thompson Jr: It’s hard to stop rebels that time travel

アメリカのテキサスを拠点に活動するアーティスト、レイモンド・トンプソン・ジュニア（Raymond Thompson Jr.）の作品集。アーカイブの断片、歴史的エフェメラ、そして自身の写真を用いて、これまで隠されてきた奴隷、逃亡奴隷、逃亡者の物語に焦点を当てています。本書は、黒人の経験と「アメリカ的」景観との結びつきに関する物語を拡張することを目指しています。

このプロジェクトは、1710年に人身取引の拠点として設立された米国ノースカロライナ州ニューバーン市を中心に展開されます。この地域は歴史的瞬間が豊富に存在します。多くの「マローン（捕縛者から逃れたが北へ逃亡せず、周辺地域の境界領域に定住した奴隷）」が、アクセス困難な沼地やプランテーション間の荒野で生活を築きました。彼らの生存戦略と技術は「自由の実践」と捉えられます。本書の素材は時を超えて18世紀の「マローン」たちに到達し、彼らを現代の風景と鑑賞者の双方に結びつけています。

本書の細長い長方形のデザインは、旅の途中でポケットに忍ばせて使える旅行ガイドやフィールドノートを想起させます。

ページ: 112
サイズ: 170 x 250 mm
フォーマット: ハードカバー
言語: 英語
刊行年: 2025
出版: Void