Jan Tschichold and the New Typography

ドイツのデザイナー、タイポグラファー、ヤン・チヒョルト（Jan Tschichold、1902-1974）の生涯と作品、そしてワイマールにおけるモダングラフィックデザインの創造運動における彼の役割について概説しています。

ヤン・チヒョルトの知られざる私蔵デザイン資料を豊富に収録した本書は、彼に最も影響を与えたバウハウスの芸術家、思想、文献を通じて、モダングラフィックデザイン史における伝説的人物を掘り下げています。チヒョルトは、多作なデザイナー、作家、理論家として、印刷物をより本質的でダイナミックなものへと変革した視覚文化革命の最前線に立ちました。彼のデザインは、看板広告や名刺から書籍の表紙や請求書に至るまで、日常的なグラフィックに応用されました。

本書は、チヒョルトが収集した以下の作品群を分析することで、彼の作品と彼が形成に貢献した芸術運動の根底にある理論に対する新たな理解を提供します。

クルト・シュヴィッタース、エル・リシツキー、アレクサンドル・ロトチェンコ、モホリ＝ナジ・ラースローといった著名人による挿絵、広告、雑誌、書籍から、ヴィリー・バウマイスター、マックス・ブルハルト、ヴァルター・デクセル、ピート・ズワルトといったあまり知られていない芸術家兼デザイナーたちの作品までを網羅しています。本書はまた、シュヴィッタースが1927年に結成したグループ「ザ・リング」を含む、中央ヨーロッパ全域に広がった広範な運動「ニュータイポグラフィ」の発展を辿ります。チヒョルトはこの運動を定義する上で決定的な役割を果たし、その理論と実践を最も影響力のある著作『ニュータイポグラフィ』（1928年）に記録しました。同書は今なおグラフィックデザインの基礎的文献と見なされています。

ページ: 272
サイズ: 179 × 224 mm
フォーマット: ソフトカバー
刊行年: 2019
出版: Yale University Press