アコーディオン形式のアーティストブックシリーズ『The Leporello Series』

Published: 21.10.22 Category: Books
アコーディオン形式のアーティストブックシリーズ『The Leporello Series』

スウェーデンの出版社ll’Editionsによるアコーディオン形式のアーティストブックシリーズ『The Leporello Series』。全4巻となるシリーズの各巻は、250部限定のシリアルナンバー入りで、特注のボックスに作品が収められています。

このシリーズのために、ll’Editionsは国際的なアーティストを招待しました。それぞれのアーティストには、アコーディオン形式のフォーマットと10枚のパネルという制約の中で、自由裁量権が与えられています。第1巻はウィーンのアーティスト、ハイモ・ツォーベルニク(Heimo Zobernig)、第2巻はトロントのアーティスト、ミカ・レクシエ(Micah Lexier)、第3巻はイギリスのアーティスト、フィオナ・バナー(Fiona Banner)、第4巻はイギリスのアーティスト、ライアン・ガンダー(Ryan Gander)よって作品が製作されました。

ll’Editionsは、スウェーデンを拠点に世界中のアーティスト、デザイナー、建築家とのコラボレーションで書籍や印刷物、オブジェクトを取り扱っています。作品は、少ない数で制作され、完売後の再版や再生産をしていません。

ll’Editionsの商品一覧

Leporello N° 01 by Heimo Zobernig

Leporello N° 01 by Heimo Zobernig

Leporello N° 01 by Heimo Zobernig

Leporello N° 01 by Heimo Zobernig

ウィーンを拠点に活動するアーティスト、ハイモ・ツォーベルニク(Heimo Zobernig)の作品。リズミカルな言葉とタイポグラフィが、個々の単語やフレーズを形や構造へとシームレスに移行させています。連結されたページ間の境界を曖昧にさせる繰り返しが重要な役割を果たしています。

ハイモ・ツォーベルニク(1958年生)は、絵画、彫刻、ビデオ、パフォーマンス、インスタレーションやデザインなど、さまざまなメディアを使った作品で広く知られているオーストリアのアーティスト。作品の中でも重要な部分を占めるのが書籍とポスターです。1980年以降、芸術の言語的側面を探求する方法として出版に取り組んできました。芸術作品の自然な延長として、これまでに100冊以上のアーティストブック、カタログ、モノグラフ、そしてそれと同数のポスターを制作してきました。数多くの個展が開催されており、作品は世界中の多くの著名な機関に所蔵されています。

Leporello N° 02 by Micah Lexier

Leporello N° 02 by Micah Lexier

Leporello N° 02 by Micah Lexier

Leporello N° 02 by Micah Lexier

トロントを拠点とするアーティスト、ミカ・レクシエ(Micah Lexier)作品。ミシン目と型抜きの印刷技術を加えた10枚のドミノタイルのセット。レクシエが数年前に購入したドミノゲームについての書籍から着想を得ています。34個の型抜きされた穴が重ならないように並べられ、それぞれの穴が印刷されたドットに見えるように工夫されています。

ミカ・レクシエ(1960年生)は、コンセプチュアル・アートと彫刻を組み合わせたカナダのアーティストであり、キュレーターでもあります。既製品や工業的なプロセスで作られた素材を用いて、自分が考えたコンセプトを彫刻的な方法で表現します。これまでに100回以上の個展を開催し、200回以上のグループ展に参加、また12の常設パブリック・コミッションを制作しています。

Leporello N° 03 by Fiona Banner aka The Vanity Press

Leporello N° 03 by Fiona Banner aka The Vanity Press

Leporello N° 03 by Fiona Banner aka The Vanity Press

Leporello N° 03 by Fiona Banner aka The Vanity Press

「The Vanity Press」としても知られるイギリス人アーティスト、フィオナ・バナー(Fiona Banner)の作品。写真撮影ブースで撮影された一連のイメージを、「Bad Review」と読むように再構成したもの。彼女の作品「Portrait of an Alphabet」(2009年)のイメージが使用されています。

フィオナ・バナー(1966年生)は、「The Vanity Press」という名前で活動しています。1997年、代表作「The Nam」で出版社を設立。それ以来、書籍、彫刻、パフォーマンスなど様々な作品を発表してきました。2009年には自分自身の名前を出版物として登録しました。ユーモア、葛藤、そして言葉が彼女の作品の中核をなしています。

Leporello N° 04 by Ryan Gander

Leporello N° 04 by Ryan Gander

Leporello N° 04 by Ryan Gander

Leporello N° 04 by Ryan Gander

イギリス人アーティスト、ライアン・ガンダー(Ryan Gander)の作品。2020年の作品「Staccato Refractions」の一部として展示された彼のデジタルワードコンポジションの抜粋となっています。テキストは極小のタイポグラフィで表現され、形に変換されます。文字を見るには付属の拡大鏡が必要となります。背景には、月の動きを表す淡いシーケンスが描かれており、照明を落とすと、暗闇で光るインクを使用した月が光り始めます。

ライアン・ガンダーは、彫刻、映画、執筆、グラフィックデザイン、インスタレーション、パフォーマンスなど、さまざまな形で作品を発表し、国際的な評価を確立しています。「日常」と「難解なもの」、「見過ごされているもの」と「ありふれたもの」を結びつける連想的な思考プロセスを通して、ガンダーの作品は言語や知識への疑問を投げかけ、作品の外観や制作方法の両方を再構築しています。