
ori.studioは、2016年に上海でスタートし、2018年に北京に移ったデザインスタジオです。マキシム・コーミアと范雪晨のペアで、グラフィックの重要性や可能性、言語との関係、そして人々がそれらと関わる時に生じる繊細な反応や感性の可能性を探求してきました。

「da大 in print」は、私たちが実験的なプロジェクトを行うためのアイディアで、私たちの考えを推し進める方法であり、視覚的/言語的に物事に対する人々の理解を探求する方法です。当初から計画していたものではなく、スタジオの活動に沿って有機的に成長したものです。
私たちの最初の出版物である「reuse eventually」は、都市の背景を視覚的に探求する試みでした。今フォーカスしているのは、談話を通し、物事に対する様々な考え方をまとめることです。

「c-SITE#1」は、「新しさ」というトピックに関する学際的な議論です。様々な分野から10人の参加者を招き、私たちは対話の外に編集者として位置するフォーマットを作りました。より自然でオープンな対話のために、このような形をとりました。参加者(a)が参加者(b)に質問をし、参加者(b)は質問に回答した後に次の参加者(c)に質問をし、対話が進んでいきます。
参加者は、写真家のDaniel Everettやアーティストの藤城嘘、グラフィックデザイナーの高田唯など、多様なバックグラウンドを持つ人たちです。トピックとの関連性に基づいて選ばれましたが、これはとても困難なことで最終的なリストの作成に約1ヶ月かかりました。トピックとの関係は、彼らがどのように制作を行い、活動の分野についてどのように考えているか、また一般的な物事に対しての観点です。具体的な例を上げると、写真家の田中崇嗣は「Post」と題したプロジェクトで、毎日新聞をキャプチャしています。それらはどれも同じに見えますが、繰り返しの中に小さな違いが見られ、新しい感覚を受けます。


約1年前、私たちは単一のトピックに関する見解を集めた学際的な出版物を制作するというアイディアを持っていました。「大きい」という意味である漢字の「大」の発音に基づいた「da」というプロジェクト名は、「c-SITE」の背後にある考えの良い隠喩です。私たちは、スタジオの活動分野の外に出て、外部から新しいアイディアを得たいと思っていました。異なる観点を混ぜた実験は興味深く、あまり多くない種類の談話は大きな可能性を秘めていると考えました。
コンセプトは、デザインが内容とフォーマット自体によって主に伝えられ、各参加者の特性と対話を邪魔しないということでした。対話は中国語と日本語のバイリンガルで、タイポグラフィは、2つの言語が混ざり合い、ページに沿ったまとまりのあるパターンを形成するように設計しています。対話を強調するために、質問を左に、回答を右に、互いに向き合うように配置しています。日本語のテキストをシルバーのインクにしたり、裏側の画像がわずかに見える薄い紙を使うなど、繊細な要素でレイアウトに深みを加えています。表紙には、「新しさ」の象徴的な表現として「芽」をデザインしました。
本書はモジュール形式で、それを選んだ理由があります。対話や紹介を各参加者ごとにまとめるために、あいだに何らかの切れ目が必要だと感じていたので、モジュールに分けることで、それらを完全に分離し、読者がどれを見るか選択できるようしました。各モジュールは、表が表紙で裏が序文になっている1枚の紙で包まれています。当初はモジュールをまとめるために箱を使うアイディアでしたが、手にした時によりしなやかで、内容物が見えるようにしました。

