ナターシャ・ミード: 建築家ダニエル・ボダムのビジュアルアイデンティティ

Published: 2019.03.28
Category: Interviews
ナターシャ・ミード: 建築家ダニエル・ボダムのビジュアルアイデンティティ
ナターシャ・ミード(Natasha Mead / NM)は、ニュージーランドを拠点とする1/1 Studioのクリエイティブディレクターです。 スタジオは、物理的及びデジタルプラットフォームにおいてブランドアイデンティティの開発をしています。 彼らが手がけた建築家ダニエル・ボダム(Daniel Boddam)の仕事について話を伺いました。
NE:
プロジェクトについて教えてください。
NM:

これはシドニーを拠点に活動する建築家、ダニエル・ボダム(Daniel Boddam)のためのブランドアイデンティティとWebサイトの構築です。彼は家具やインテリアなど多くの分野で活動しており、幅広くさまざまなプロジェクトをこなします。

NE:
どのような経緯でこの仕事を手がけることになったのでしょう?
NM:

ダニエルのパートナーであり、才能豊かな写真家であるケリー・ゲデス(Kelly Geddes)と以前働いたことがあり、彼女が私たちを引き合わせてくれました。このプロジェクトをダニエルが持ち掛けてくれた時は、彼と働く機会に恵まれたことがとても嬉しかったです。彼の作品は極限まで考え抜かれたものなので、それを解釈して異なる媒体に落とし込むのはいつも楽しい作業です。

Natasha Mead、ニュージーランドのデザインスタジオ1/1 Studio。Daniel Boddamのビジュアルアイデンティティ。
Natasha Mead、ニュージーランドのデザインスタジオ1/1 Studio。Daniel Boddamのビジュアルアイデンティティ。
“モダニズムと伝統の中間”
NE:
アイデンティティはどのようなコンセプトと戦略をもとに制作されたのでしょうか?
NM:

私たちのコンセプトは、「モダニズムと伝統の中間」というダニエル自身のデザイン哲学を理解し解釈することでした。これには、読みやすさ、シンプルさ、美しさのバランスが理想的な、スイススタイルをデザイン原則として採用しました。

スイススタイルは、あらゆる現代のグラフィックデザインに多くの点で影響を与えており、それ自体を「方向性」というのは議論の余地があるかもしれませんが、建築との歴史的な関係性からこのスタイルを強調するのは自然なものと考えます。これは、典型的な方法(グリッド、少ない要素など)で実装されていて、1.建築、2.家具、3.スタジオのように、ダニエルが手掛ける様々な分野を整理するためにシンプルな通し番号システムが採用されています。

制作は、ダニエルの「デザイン」を焦点として、作品を優雅に展示することに取り組みました。そのため、多くの現代的なブランディングに見られるロゴ中心のアプローチではありません。そして、これを達成するためにタイポグラフィにも統一性があります。必要な場合のみ強調することが目的でした。例えば、Webサイトは画像を中心的な要素としていますが、画像上にマウスポインタを持ってくると大きくタイトルが表示されます。これは、幾らかの個性、すなわち、シンプルですが少しだけダイナミックな特長をもたらします。

Natasha Mead、ニュージーランドのデザインスタジオ1/1 Studio。Daniel Boddamのビジュアルアイデンティティ。
Natasha Mead、ニュージーランドのデザインスタジオ1/1 Studio。Daniel Boddamのビジュアルアイデンティティ。
NE:
使用された書体はどんなものでしょうか?また、なぜそれらを選択したのでしょう?
NM:

私たちは1960年代半ばにカール・ゲルストナー(Karl Gerstner)によってデザインされた、彼の名前を冠した書体である「Gerstner Programm」を使用しました。当時は日の目を見ることがありませんでしたが、最近「Forgotten Shapes」によってデジタル復元されました。視覚システムに沿うため、温かみを持つグロテスク書体を求めました。そこで、最初は「Gerstner Programm」の原型である「Akzidenz Grotesk」を検討しました。「Gerstner Programm」は「Akzidenz Grotesk」よりほんの少し洗練されており、より調和がとれていて、滑らかでバランスが良く、ダニエルの作品に見られる洗練されつつも機能的な形式にぴったりでした。

Natasha Mead、ニュージーランドのデザインスタジオ1/1 Studio。Daniel Boddamのビジュアルアイデンティティ。
NE:
プロジェクトには様々な分野の制作がありますが、Webサイトの制作はどのように行ったのでしょう?
NM:

Webサイトは、スタジオ共同創設者ジョー・スワン(Joe Swann)が率いる社内の開発チームによって制作されました。私たち自身のチームで制作することで、理想的な基準に仕上げることができるだけでなく、すべてのプロジェクトで新しいアイデアや技術を探求することができます。

デザインとコンテンツのセットアップ方法がとても柔軟なので、「Craft Commerce」を採用しました。製品ページの主な機能の1つは、各家具をすべての素材の選択肢で視覚化できる、選択システムと統合された素材サムネイルです。

Natasha Mead、ニュージーランドのデザインスタジオ1/1 Studio。Daniel Boddamのビジュアルアイデンティティ。
Natasha Mead、ニュージーランドのデザインスタジオ1/1 Studio。Daniel Boddamのビジュアルアイデンティティ。
All photography by Kelly Geddes.
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