
ベルリンを拠点とするグラフィックデザイナー、ヒューゴ・ホップマン(Hugo Hoppmann)。自身のスタジオでの仕事のほか、ニューヨークに住んでいた時から続く自身のプロジェクト『PRESENT』も運営しています。今回は、彼が関わる仕事や彼の個人プロジェクトとその意味について話を伺いました。
ドイツのベルリンで、グラフイックデザイナー、アートディレクター、パブリッシャーをしています。私にとってグラフイックデザインや執筆は、ずっと自分を表現する重要な方法、また自分や友人、クライアントのビジョンを実現する貴重なツールになってきました。これが自分がやりたいことだということを人生の早い段階で知ることができたのは、幸運なことです。
ここ数年、世界中に様々なクライアントを持ち、ナイキ、032c、プラダ、アップル、シエス・マルジャンそしてディストリクトビジョンといった、すばらしい人々や企業とコラボレーションする機会に恵まれています。
スタジオワークの次に、自らが出版する『PRESENT』誌のような、自分が実現した(またはしていない)大好きなプロジェクトを進めようといつも思っています。私にとっての今年のハイライトは、『PRESENT』の創刊号の出版に加え、ナイキシューズのフルコンセプトとデザイン言語を作り、大好きな音楽チャンネル『Colors』の新しいビジュアルアイデンティティを制作したことでした。



現在、いくつかのブランディングプロジェクト、アーティストブック、そして『PRESENT』の次号刊行に注力しています。さらに、できるだけ書く機会を増やすと共に、瞑想、エクササイズ、回想など、毎日の主要な習慣を継続的に磨いています。いつも簡単なわけではありませんが、自分の身体、マインド、心をケアすることは大切だと思っています。
『PRESENT』は、2016年に私がニューヨークに住んでいた時から始めた個人プロジェクトです。「People On Process」と題した初刊は、過去の様々な情熱あるプロジェクトのエッセンスであり、人生で魅了するものをまとめたものです。
このプロジェクトの土台を形作っている「PRESENT」という言葉と、その言葉のもつ様々な意味からすべてが始まりました。今を生き、今に感謝すること。仕事を贈り物と考えて、自分自身と周りの人たちに寛大であること。アイデアを世界に提示し、自分の中にあるものを決して隠さないこと。
クリエイティブなプロセスを分かりやすく説明するため、メーカーと一緒に彼らの道筋と哲学について話し合い、創造と内省についての雑誌を提供 (PRESENT) します。規律、恐れ、キャリアの道筋や信頼についての率直な会話の場です。このプロジェクトを通して、僕はひらめきを与えて前進し、熟考して引き金となり、動機付けて創始したいと思っています。そうすることで、私たちが欲しいもの、また自分が必要だと知っているものに近づきたいのです。


僕にとって、自分の個人的なプロジェクトを成長させることは重要なことです。僕は、すべての衝突―自分自身とそして他人との―の原因は本質的に、自分の実現していない大好きなプロジェクトに十分近づけていないことだと思っています。毎日無数の気を散らすものや義務が私たちの注意を引こうとしているので、自分が情熱を持つプロジェクトを忘れないようにすることは挑戦となります。それは必ずしも容易とは限りませんが、常にそうする価値はあります。
僕の目標は、チームとコミュニティーを成長させ、将来的に年2回の頻度で出版することです。新しいアパレルやスペシャルイベントと共に、第2号を現在計画中です。僕が本当にやりたいことはアイデアとビジョンを、ブランドまたムーブメントとしてさらに推し進めていくことです。

